青龍窯は山形市の平清水に工房を構え、文化年間(1804~1818)に興った平清水焼の伝統を代々受け継ぎながら器を作り続けてきました。
平清水の周辺の山々には松の木が茂り深い緑に覆われているのですが、冬になるとその風景は一変し、雪が全てを覆い尽くし白一色となります。
6代目の丹羽真弓さんは地元の山から採れる原土と「残雪」と名付けた唯一無二の釉薬を使い、器にその景色を写しこみます。
お燗にした酒をこの「残雪」で焼かれたぐい呑に注げば、いまにも解けてしまいそうなピュアな表情を器がみせてくれます。
それ故に、お酒もすすんでしまうという酒好き泣かせの器でもあります。